清掃サービス
更新日:2025.03.05

介護施設の清掃はなぜ重要? 清掃のポイントや注意点、効率化のコツを紹介

介護施設では、施設内での感染症のリスクを低減したり、快適性を向上したりするために丁寧な清掃が欠かせません。清掃を怠ると、感染症の蔓延や利用者の不満などのトラブルにつながる恐れがあるため、コツやポイントをつかんで施設内を常に清潔に保つようにしましょう。

本記事では、介護施設における清掃の重要性や、場所ごとの清掃ポイントと注意点、作業を効率化するための工夫、介護施設の清掃に関するよくある質問をまとめました。

介護施設の清掃の重要性

どのような施設でも清掃は行われますがが、特に介護施設では清掃の重要性が高いとされています。その理由は大きく分けて2つあります。

感染症の予防

介護施設で清掃が重要だとされる理由の1つ目は、感染症の予防のためです。複数の入居者が共同生活を送る介護施設では、感染症の蔓延リスクが高い傾向にあります。特に介護施設の入居者のほとんどは免疫機能が低下している高齢者であるため、施設内で感染症が流行するとクラスター(感染者集団)が発生しやすいといわれています。

感染症は飛沫感染や空気感染の他、ウイルスが付着した手すりやトイレなどを介して感染する接触感染や、ウイルスや細菌に汚染された食べ物を介する経口感染などによって広がるため、きちんと清掃を行ってウイルスや細菌を除去しておくことが大切です。

施設内の快適性の保持

介護施設で清掃が重要だとされる理由の2つ目は、施設内の快適性を保つためです。施設では入居者やスタッフ、外部から訪れた入居者の家族や知人など、多くの人が行き交います。その分汚れも付着しやすく、短期間でも清掃を怠るとごみやほこりがたまったり、汚れが目立ったりします。

汚れがたまると外観が悪くなるのはもちろん、空気が悪くなる、悪臭がする、手すりがべたつくといった不快感を覚えるようになり、場合によっては入居者やその家族からクレームが入るかもしれません。定期的な清掃は快適な環境を保持し、入居者やその家族、スタッフが気持ち良く過ごすために不可欠な作業でしょう。

【場所別】介護施設の清掃ポイントと注意点

【場所別】介護施設の清掃ポイントと注意点

介護施設の清掃場所は多岐にわたり、それぞれ作業の仕方やコツに違いがあります。効率的に清掃できるよう、場所ごとのコツや注意点を押さえておきましょう。ここでは介護施設の清掃ポイントと注意点を場所別に説明します。

居室

居室では、床や洗面台、ベッド周辺、テーブルや棚などの家具、ドアノブなどを中心に清掃します。床は掃除機やモップをかけ、手すりやドアノブは雑巾などできれいに汚れを拭き取りましょう。ベッド周りの清掃については、シーツの交換やマットレスの消毒、手すりやベッドフレームの拭き掃除を行います。家具のほこり取りや消毒も行いますが、たんすや棚などの収納家具についてはプライバシーへの配慮も忘れないようにしましょう。

なお、持ち込みの家具については施設によってルールが異なり、入居者の同意を得た上で施設側が清掃を行うケースもあれば、入居者やその家族が行うことを推奨している施設もあります。

トイレ・浴室・洗面台

トイレや浴室、洗面台などの水回りは特に汚れやすい場所なため、小まめな清掃が必要です。特にトイレは、排泄物を介して感染症が蔓延する原因となるため、重点的に清掃しなければなりません。便器やレバーはもちろん、ドアノブや床、壁、換気扇なども丁寧に清掃しましょう。カビが生えている場合は専用の洗剤を用いて除去しましょう。

共用スペース

介護施設には、複数の入居者やスタッフが利用する食堂や談話室、階段、廊下などの共用スペースが多くあります。不特定多数の人が利用する場所は汚れが付着しやすいため、特に念入りに清掃しなければなりません。

食堂と談話室はテーブルや椅子の上を拭き掃除し、床は掃除機・モップをかけます。食堂は飲食をする場所なため、ウイルスや雑菌を残さないよう、除菌も徹底しましょう。廊下や階段はごみ・ほこりの除去、手すりの拭き掃除などを行います。スタッフが利用する受付や事務室も同様の手順で実施し、スタッフから入居者への感染を防止しましょう。

感染症が発生した際の対処法

インフルエンザやノロウイルスは感染力が高く、どれほど気を付けていても感染リスクをゼロにすることはできません。万が一、これらの感染症が発生した場合は、被害の拡大を防ぐために以下のような方法で対処しましょう。

感染症の原因を特定する

まず、施設内で発生した感染症の原因を特定するところから始めましょう。感染経路は病原体によって異なるため、効果的に感染を防止するには、病原体の種類ごとの対策を講じなければなりません。

また除菌の仕方も感染症によって異なります。例えば、インフルエンザはアルコール除菌が有効ですが、ノロウイルスの場合はアルコール消毒の効果が限定的なため、塩素系消毒剤を用いる必要があります。このように感染症によって性質に異なるため、感染症を発症した入居者は速やかに受診をしてもらい、病原体の特定を急ぎましょう。

汚染した区域からの隔離

ウイルスに汚染された区域を特定したら、その場所を立入禁止するなどの処置を行って入居者から隔離しなければなりません。ウイルスの感染拡大を防ぐには、ウイルスや細菌をなるべく拡散させないことが大切です。

特に共用スペースが汚染区域だった場合は、清掃や消毒が完了するまで人を近付けさせない措置を徹底しましょう。

病原体や場所に適した消毒を行う

病原体や場所に適した消毒を行うことも重要です。前述の通り、病原体の種類によって有効な消毒法は異なります。また消毒剤と清掃する場所には相性があり、例えばアルコール系消毒剤は金属や木部、布など幅広い場所に使えますが、塩素系消毒剤は金属や木部、布などへの使用には注意が必要です。

なお、消毒を行う際はウイルスへの感染および消毒剤による健康被害を防ぐため、マスクやキャップ、使い捨て手袋、長靴を着用しましょう。

介護施設の清掃を効率化するための工夫

介護施設の清掃は定期的かつ入念に行う必要がありますが、慢性的な人手不足に陥っている介護業界では、作業に時間をかけられないケースも珍しくありません。限りある人員で施設の衛生を保つために、以下を参考に清掃を効率化する取り組みを行ってみましょう。

清掃計画を立てる

まずは清掃する頻度や場所、担当者の割当などをまとめた清掃計画を立て、日々の清掃のルーティンを固めるところからスタートしましょう。「手が空いている人が清掃を担当する」といった大ざっぱなルールだと、清掃がおろそかになったり、場所によって衛生に差が生じたりする原因となります。

清掃する場所とやり方をまとめたチェックリストを作成すると、作業がスムーズに進みます。既に計画を立てている場合も、無駄な部分、不足している部分はないかどうか、改めて見直してみることをおすすめします。

便利な用具・機材の導入を検討する

介護施設内には多くの部屋があり、延べ床面積も大きいため、家庭と同じ方法で清掃しようとすると手間と時間がかかってしまいます。清掃のための人手不足している場合は、便利な用具や機材の導入を検討してみましょう。例えば、自動床洗浄機やロボット掃除機を活用すれば、一部の場所の清掃を自動化することが可能です。また掃除機はコードレスタイプのものを利用すると、コンセントの場所を探したり、コードを差し替えたりする手間を省けます。

清掃スキルの向上を目指す

コツを押さえて効率良く清掃できるよう、スタッフの清掃スキルを向上させる取り組みを行うのも有効です。具体的には、スタッフへの清掃指導や清掃マニュアルの作成と配布、そして感染症対策に関する研修の実施などが考えられます。これらの取り組みを通して、清掃のコツやポイントを身に付ければ、短時間で清掃を終えられるようになります。

介護施設の清掃についてのよくある質問

介護施設の清掃について、よくある疑問や質問をQ&A形式でまとめました。

Q. 介護施設ではどのくらいの頻度で清掃するべき?

A. 場所・部位によって異なります。

介護施設の清掃は基本的に毎日行いますが、具体的な清掃頻度は場所によって異なります。例えば、共用スペースのテーブルや椅子、階段の手すりなど、多くの人が頻繁に利用するところは汚れやウイルスが付着しやすいため、1日数回清掃するのが基本です。一方、それ以外の場所・部位については1日1回の清掃でも十分でしょう。

Q. 介護施設の清掃範囲はどこまで?

A. 施設によって範囲に差があります。

介護施設側が行う清掃の範囲は、施設ごとにルールが異なります。入居者の同意を得た上で、居室の細かな部分まで清掃に対応してくれるところもあれば、私物の清掃は入居者に任せるというスタンスの施設もあります。中には、シーツや枕カバーの交換なども清掃業務の一環として行う施設もあります。

Q. 清掃時、入居者に対して配慮すべき点は?

A. 床のぬれや清掃時に発生する音、清掃道具の置き場所などに配慮しましょう。

施設内を清掃する際は、入居されている人の安全や快適性に配慮することが大切です。具体的には、床を水拭きするときは入居者が滑って転倒しないよう、人通りの少ない夜間や早朝に済ませる、なるべく大きな音を立てない、通行の邪魔になる場所に清掃用具を置かないなどになります。特に車いすを利用する入居者がいる場合、清掃用具で通路をふさいでしまうと通行に支障を来す可能性があるため要注意です。

セルフケアが難しい場所や効率化を目指す場合は清掃のプロに依頼しよう

介護施設では、感染症対策や快適性向上のため、小まめに清掃を行う必要があります。ただし、多くの人が共同生活を送る介護施設は汚れが付着しやすい上、現場は慢性的に人手が不足しているため、隅々まで清掃が行き届かないケースも少なくありません。そのようなときはスタッフだけで作業を行おうとせず、プロの清掃業者への委託も検討しましょう。

株式会社アーネストは、オフィスビルから介護施設まで、幅広い建物・施設を対象とした清掃サービスを提供しています。日常清掃から、ハードフロアや高所、カーペット、ブラインド、エアコンなどの定期清掃まで、多様な清掃ニーズに対応しているため、介護施設の清掃にお困りのときはぜひ株式会社アーネストまでお気軽にご相談ください。

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