清掃サービス
更新日:2026.02.10

原状回復とクリーニングの違いとは? 事務所を退去する際の主な流れや費用相場を解説

事務所や店舗を退去する際には「原状回復を行うべきか」「居抜きでクリーニングだけにできるのか」と判断に迷う方もいるのではないでしょうか。退去方法によって、必要な手続きや工事内容、費用は大きく異なります。

本記事では、原状回復とクリーニングの違いを整理した上で、事務所を退去する際の主な流れや費用相場、居抜きで退去できる可能性を解説します。事務所の退去方法を検討する際の判断材料として、参考にしてみてください。

<この記事で分かること>

  • 原状回復とクリーニングの違い
  • スケルトン物件と居抜き物件の違い
  • 事務所を退去する際の主な流れと注意点
  • 原状回復やクリーニングの費用相場

原状回復とクリーニングの違い

原状回復とは、賃貸借契約が終了して事務所を明け渡す際に、借り主が物件を契約当初の状態に戻すことを指します。床や壁、天井の復旧、造作物の撤去などが含まれ、工事を伴うケースが一般的です。契約内容によっては、配線や照明、設備機器の処理まで求められることもあります。

一方、クリーニングは、専門業者による床清掃や水回り清掃などが該当します。あくまで汚れを落とす作業であるため、内装や設備を元の状態に戻す原状回復とは目的や範囲が異なります。クリーニングを行ったとしても、原状回復義務を果たしたことにはならない点に注意が必要です。

スケルトン物件と居抜き物件の違い

事務所を退去する際は、物件がスケルトン物件か居抜き物件かによって進め方が変わります。ここでは、スケルトン物件と居抜き物件の違いを簡単にご紹介します。

スケルトン物件とは?

スケルトン物件とは、内装や家具、設備などが設置されていない状態の物件を指します。物件を退去する場合は、原則として原状回復工事を実施し、再びスケルトン状態に戻さなければなりません。どこまで復旧するかは賃貸借契約書や管理会社のガイドラインによって異なるため、退去を決めた段階で内容を確認しましょう。

居抜き物件とは?

居抜き物件とは、前の借り主が使用していた内装や什器、設備などを残した状態で、次の借り主がそのまま引き継いで使用する物件のことです。

事務所を退去する際に居抜きを選択できれば、原状回復工事を行う必要がない、もしくは工事範囲を抑えられる可能性があります。その結果、退去にかかるコスト削減につながることもあるでしょう。

事務所を退去する際の主な流れ

事務所を退去する際は、契約内容の確認から解約の申し入れ、原状回復工事や立ち会いまで、複数の手続きや作業を順序立てて進める必要があります。また原状回復でスケルトン物件に戻す場合と、居抜き物件として退去する場合とでは、手続きの流れが大きく異なります。

どちらの方法を選ぶ場合でも、早めに全体像を把握し、スケジュールに余裕を持って準備を進めることが重要です。ここでは、退去方法別の主な流れを解説します。

原状回復でスケルトン物件にしてから退去する場合

原状回復工事をしてスケルトン物件にする場合、契約書や管理会社のガイドラインに基づいて進めなければなりません。範囲の認識にずれがあると、立ち会い時に修正を求められる可能性もあるため、各ステップでの確認が重要になります。

1. 解約の申し入れをする

事務所を退去する際は、まず貸主または管理会社へ解約の申し入れを行います。多くの賃貸借契約では、退去日の6カ月前までを目安に解約予告を行うことが定められています。期限を過ぎてしまうと、希望する日に退去できなかったり、余分な賃料が発生したりすることもあるので注意しましょう。

2. 原状回復の範囲を確認する

原状回復工事に着手する前に、確認しておきたいのが工事の範囲です。原状回復の内容は、賃貸借契約書や管理会社が定めるガイドラインによって大きく異なります。床や壁、天井の復旧に加え、造作物の撤去、配線や照明の処理まで求められるケースもあります。

「どこまで戻すべきか」を曖昧なまま進めてしまうと、退去時の立ち会いで追加工事を求められる可能性があります。無駄な手戻りを防ぐためにも、工事前の段階で貸主や管理会社と認識をすり合わせておくことが大切です。

3. ライフライン・リース契約の解約・移転手続きをする

事務所で利用していた各種契約についても、退去に併せて解約や移転の手続きを行う必要があります。具体的には、電気やガス、水道といったライフラインに加え、インターネット回線や固定電話番号などの手続きが挙げられます。

またプリンタや複合機などをリース契約で導入している場合は、解約や移設の条件を事前に確認しておきましょう。

4. 什器・備品を撤去する

事務所内にあるデスクや椅子、棚、パーテーションなどの什器類は、移転先へ持っていくものと処分するものに分けて整理してください。不要な備品を早めに選別しておくことで、退去直前の作業負担を軽減できます。

大型の家具や設備を撤去する場合は、専門業者への依頼や事前予約が必要になるケースもあります。直前になって慌てることがないよう、原状回復工事のスケジュールと併せて、計画的に進めることが重要です。

5. 原状回復工事を実施する

原状回復工事は、特約がない限り、明け渡し日までに完了させる必要があります。工事内容は専門的になるため、基本的には原状回復工事を扱う業者へ依頼するのが一般的です。

業者を選定する際は、貸主や管理会社に指定業者があるかを事前に確認しておきましょう。指定業者がある場合は、その指示に従って工事を進めます。一方、指定がない場合は自社で業者を選定し、移転の2カ月前を目安に発注を済ませておくのがおすすめです。

6. 退去の立ち合いをする

原状回復工事が完了したら、貸主や管理会社と退去の立ち合いを行います。立ち合いでは、事務所の状態が契約書やガイドラインで定められた基準を満たしているかを確認します。

問題がなければ、敷金や保証金の精算へと進みます。一方で、不備が見つかった場合は追加工事を求められる可能性もゼロではありません。スムーズに退去を完了させるためにも、事前に工事範囲を明確にしておきましょう。

居抜きで退去する場合

居抜きで事務所を退去する場合は、原状回復でスケルトン物件に戻す場合とは異なる手順で進めます。内装や設備を引き継ぐ前提となるため、貸主や管理会社との事前調整がより重要になります。

ここからは、居抜きで退去する場合の主な流れをご紹介します。

1. 契約内容を確認する

居抜き退去を検討する際は、まず物件取得時に締結した賃貸借契約書の内容を確認します。契約書には、居抜きでの退去が可能かどうかや、原状回復義務の範囲、解約予告期間などが記載されていることが一般的です。

契約条件を正しく把握しておくことで、後の交渉や手続きを円滑に進めやすくなります。

2. 居抜き退去に関して相談する

居抜きでの退去を希望する場合は、解約の申し入れを行う前に、貸主や管理会社へ相談しましょう。借りている物件を居抜きで退去することで、どのようなメリット・デメリットがあるのかをまとめて、丁寧に説明すると交渉を進めやすくなります。双方の立場を踏まえながら話し合いを行い、合意を目指すことがポイントです。

3. 解約の申し入れをする

貸主や管理会社から居抜きでの退去について了承を得られたら、正式に解約の申し入れを行います。多くの契約では、退去日の6カ月前を目安に解約予告を行う必要があります。居抜きでの退去であっても、この点は原状回復の場合と変わりません。

4. 居抜き物件の情報提供をする

居抜きで退去する場合は、残置する内装や設備について、貸主や管理会社へ正確な情報を提供する必要があります。どの設備を引き継ぐのかを明確にすることで、次の借主との調整を進めやすくなるでしょう。

主に、現状のレイアウト図面や原状回復工事の見積書、施工内容・工事図面などの提出が求められます。抜けや漏れがないように貸主や管理会社と相談しながら、正確な内容をまとめることが大切です。

5. 原状回復工事やクリーニングの見積もりを取る

居抜き退去であっても、工事が不要になるとは限りません。場合によっては、一部の原状回復工事が必要になることもあります。その際は、工事内容を整理したう上で、原状回復工事の見積もりを取り、対応を進めましょう。

また物件のクリーニングを実施するケースも多く見られます。早めに清掃を行っておくことで、新しい借主を探す期間を確保でき、決定後もスムーズに引き渡しを進められるでしょう。

6. 次の借主との造作譲渡契約の締結をする

次の借主が決まったら、造作譲渡契約を締結します。造作譲渡契約では、どの設備や機器を譲渡するのか、使用期間の目安はいつか、リース契約中の商品が含まれていないかなど、詳細な情報を明記します。

この契約は、設備や内装の所有権の所在を明確にする重要なものです。内容に不備があると、後から責任の所在を巡ってトラブルになる可能性もゼロではありません。正確かつ漏れのない契約を結ぶことが重要です。

原状回復とクリーニングの費用相場

事務所を退去する際に気になるのが、原状回復やクリーニングにかかる費用です。どちらも物件の広さや状態、依頼する業者によって金額は大きく変わります。そのため、事前に相場を把握した上で、具体的な費用は見積もりを取って確認しましょう。

原状回復の費用相場

一般的な事務所で原状回復工事を行う場合、費用は坪単価で算出されるケースが多く、相場は3万〜30万円程度とされています。ただし、事務所の規模や内装の仕様、工事範囲などによっても金額には大きな差が生じるので、詳細は業者に確認しましょう。事務所の規模ごとの費用目安は、以下の通りです。

事務所の規模原状回復の費用相場(坪単価)
50坪以内3万〜7万円
51〜100坪6万〜10万円
101〜300坪8万〜15万円
301坪以上15万〜40万円

クリーニングの費用相場

クリーニングの場合、作業箇所ごとに料金が設定されるのが一般的です。原状回復工事と比べると費用は抑えやすいものの、清掃範囲が広くなると総額が大きくなることもあります。

クリーニングの費用目安は、以下の通りです。

清掃内容費用相場
フロア(タイル・フローリング)20,000円~
フロア(カーペット)25,000円~
トイレ(1基当たり)5,000円~
エアコン(壁掛け式)10,000円~
エアコン(天井埋込式)25,000円~
窓ガラス(通常作業)10,000円~
窓ガラス(足場作業)20,000円~
窓ガラス(ロープ作業)30,000~100,000円
窓ガラス(ゴンドラ作業)50,000~150,000円
オフィスチェア(1脚)3,000円~

清掃方法や作業環境によっても費用は変わるため、どこまでクリーニングを行うのかを明確にした上で業者に見積もりを取るようにしましょう。

契約で原状回復が必須とされていても居抜きにできる場合がある

賃貸借契約書に「原状回復義務」や「スケルトン返し」が明記されている場合でも、必ずしも原状回復工事を行わなければならないわけではありません。貸主との交渉と合意が得られれば、居抜きでの退去に変更できる可能性があります。

居抜きにして内装造作や設備をそのまま引き継ぐことで、原状回復工事が不要、もしくは最小限で済む場合があります。その結果、退去時のコストを抑えられる可能性があるでしょう。

契約内容の変更を交渉するためには、貸主との丁寧な話し合いと段取りが欠かせません。具体的には、退去時に協議をして、原状回復義務を免除または変更してもらう方法があります。「次の借主が決まらなければ原則通りスケルトンに戻す」といった条件付きの取り決めを設けることで、合意を得やすくするケースもあります。居抜き退去を検討する際は、こうした選択肢があることも踏まえて判断するとよいでしょう。

まとめ

事務所を退去する際は、原状回復とクリーニングの違いを正しく理解した上で、自社の状況に合った方法を選ぶことが大切です。原状回復には契約当初の状態に戻すための工事が必要で、費用や準備期間がかかる傾向にあります。居抜き退去を選択することで、工事範囲やコストを抑えられる可能性があるでしょう。いずれの場合も、契約内容の確認や貸主・管理会社との事前調整が、トラブルを防ぐポイントになります。

また事務所を退去する際のクリーニングを検討する際には、清掃内容や作業範囲を柔軟に相談できる業者を選ぶことも大切です。株式会社アーネストでは事務所退去時のクリーニングにも対応しています。

概算見積りについては、原則24時間以内のスピード対応を行っており、作業時期や時間帯についても柔軟に調整相談可能です。事務所退去に伴う清掃やクリーニングを検討している場合は、お気軽にお問い合わせください。

清掃・ビル管理は 安心、丁寧の アーネストへ
― 20年以上にわたる1,000社の導入実績 ―
カーペット清掃サービスのページはこちら

清掃・ビル管理に関する
ご相談・お問い合わせ

フリーコール

平日 9:00~18:00 定休日 土・日・祝日