除菌・消毒
更新日:2022.02.14

除菌や抗菌、殺菌などの違いとは?ウイルスから身を守るための方法

ウイルスや感染症対策をするときに、除菌や殺菌消毒は欠かせないものです。市販されている感染症対策グッズや掃除グッズには、「除菌」「消毒」「抗菌」「殺菌」「滅菌」などといった文言が記載されていますが、これらの言葉はすべて意味が異なることをご存知でしょうか。

本記事では、ウイルス対策をするうえで必ず知っておきたいそれぞれの言葉の意味について解説します。ウイルスから身を守るための方法についても紹介するので、ぜひチェックしてください。

「除菌」「消毒」「抗菌」「殺菌」「滅菌」の違いと効果について

まずは、混同しやすい「除菌」「消毒」「抗菌」「殺菌」「滅菌」の違いとそれぞれの効果について解説します。

除菌とは

除菌とは、ウイルスを取り除いて数を減らす効果のことを指します。手洗いなどで手についた菌を洗い流すことや拭き取りによって物体の菌を減らすこと、ろ過によって液体中の菌を減らすことなどを指します。
ウイルスの有効数を減少することができれば「除菌」と謳えるため、減らす菌の数や種類については明確な決まりはありません。現在はアルコールスプレーやジェル、石鹸や洗剤などさまざまなものが除菌グッズとして販売されています。

消毒とは

消毒とは、菌やウイルスを無毒化することです。

「薬機法」に基づき、厚生労働大臣が品質・有効性・安全性を確認した「医薬品・医薬部外品」の製品に記載されています。

抗菌とは

抗菌とは、菌の増殖を抑えられる効果のことを指します。今ある菌を取り除くことはできませんが、菌が住みにくい環境を作って増えないようにしてくれます。なお、経済産業省によれば、抗菌の対象は細菌のみでウイルスやカビ、黒ずみなどは効果の対象外とされているため、注意しましょう。[注1]

衣類や乳児用の玩具、衛生用品など、抗菌仕様の製品は多く発売されています。いずれも菌が繁殖しにくく、清潔に使用しやすい点が特徴です。

[注1]経済産業省:抗菌加工製品ガイドラインのフォローアップ結果について[pdf]

殺菌とは

殺菌とは、菌を殺す効果のことを指します。除菌と同様、殺すウイルスの数や種類についての規定はなく、一部を殺しただけで「殺菌」と謳えるため、必ずしも有効性が高いわけではありません。

なお、殺菌という文言は医薬品や指定医薬部外品、医薬部外品などの薬事法の対象となる製品にしか使えません。例としては、消毒薬や薬用石鹸などが殺菌グッズとして挙げられます。[注2]

[注2]日本石鹸洗剤工業会:どこがどう違うのか…「滅菌」「殺菌」「除菌」「抗菌」などの用語

滅菌とは

滅菌とは、微生物やウイルスを限りなくゼロに近づける効果のことを指します。滅菌する前と比較して微生物の数を100万分の1以下に減らすことを指し、紹介してきたなかではもっともウイルスに効果的な対策方法です。[注3]

なお、滅菌という言葉は基本的に器具などに対して使うものだとされています。人体に対して「滅菌」を行った場合、体の細胞ごと殺さなければならなくなります。

[注3]日本石鹸洗剤工業会:どこがどう違うのか…「滅菌」「殺菌」「除菌」「抗菌」などの用語

ウイルスの感染予防のために消毒・除菌はどのようにしたらよいのか?

除菌や殺菌などの言葉の違いについて理解できましたでしょうか。

ウイルスは手や身の回りのものに付着することで、人の口や鼻、目などから侵入することで感染します。そのため、感染を予防するための手段としては、手洗いや身の回りのものに付着したウイルスの数を減らすことが有効です。

ここからは、厚生労働省のサイトで掲載されている「新型コロナウイルスの消毒・除菌方法について」のページを参考に、感染予防のための消毒・除菌方法について説明していきます。

手や指などのウイルス対策

ウイルスは水で洗い流すことでかなりの数を減らすことができます。
外出していた場合、帰宅したらすぐに流水で手洗いを行うことが大切です。手指に付着しているウイルス量は、流水による15秒の手洗いで1/100に、石けんで10秒もみ洗いの後、流水で15秒すすぐと1/10,000に減らすことができます。

すぐに手洗いが出来ない状況もあるかと思います。その際はアルコール消毒液(濃度70%~95%のエタノール)を使ってウイルス対策をおこないましょう。

一方で、次亜塩素酸ナトリウム(塩素系漂白剤)は人体には危険ですので、手指には使用しないでください。また亜塩素酸水も、健康を害する可能性があるため目に入ることや皮膚につくことのないよう注意してください。

モノに付着したウイルス対策

モノに付着したウイルス対策をするときは、どのような成分を使用すればよいのか迷ってしまうかもしれません。ここでは、ウイルス対策におすすめの成分について解説します。

熱水

食器などのウイルス対策には、熱水の使用がおすすめです。80℃以上の熱水に10分さらすとウイルスが死滅するといわれており、熱湯によるつけ置き洗いや煮沸消毒はとても効果的です。

洗剤を使わずに済むため、子どもやペット用品のウイルス対策にも活用しやすいでしょう。

塩素系漂白剤(次亜塩素酸ナトリウム)

テーブル、ドアノブなどには、市販の塩素系漂白剤の主成分である「次亜塩素酸ナトリウム」が有効です。「次亜塩素酸」の酸化作用などにより、ウイルスを破壊して無毒化することができます。
使用方法としては、市販の家庭用漂白剤を、次亜塩素酸ナトリウムの濃度が0.05%になるように薄めて拭いたあと、水拭きをおこないます。

菌からウイルスまで幅広い効果を発揮する反面、取り扱い方法に注意しないと健康に悪影響を与える危険性があります。目に入ることや皮膚につくことのないよう注意してください。

洗剤(界面活性剤)

テーブル、ドアノブなどには、市販の家庭用洗剤の主成分である「界面活性剤」も有効です。界面活性剤は、ウイルスの「膜」を壊すことで無毒化するものです。

使用方法としては、まず有効な界面活性剤が含まれた家庭用洗剤を選んでください。[注4]

[注4]:新型コロナウイルスに有効な界面活性剤が含まれている製品リスト | ナイト | 製品評価技術基盤機構

家庭用洗剤に含まれる界面活性剤も、消毒や除菌効果が高いため、小まめに対策をおこない常に清潔に保つようにしましょう。

除菌や殺菌などの違いを理解して、ウイルス対策をしっかり行おう

「除菌」「消毒」「抗菌」「殺菌」「滅菌」はそれぞれ異なる意味を持っているため、区別して覚えておくようにしましょう。除菌や殺菌と記載がある商品でも、必ずしもウイルスに効果があるわけではありません。用途に合ったウイルス対策グッズを選ぶことが大切です。

ウイルス対策をするときは、定番のアルコールや塩素系の成分だけではなく、熱水や界面活性剤も効果的です。ウイルス対策をしたいアイテムや場所に合わせて、適切な方法を実践してください。

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