【飲食店向け】床の油汚れの落とし方と手順とは? 床の掃除に使えるアイテムも紹介

飲食店の床の油汚れは、飲食店を経営する上で重要な課題の一つです。調理中に飛び散る食用油や高温調理によって発生する油煙は、時間の経過とともに頑固な汚れとなっていきます。この油汚れは、従業員やお客様の転倒事故を引き起こすリスクがあるだけではなく、火災の原因にもなりかねません。
また床の油汚れは店舗の清潔感を損なうため、衛生面での不安から集客にも悪影響を及ぼす可能性があります。そこでこの記事では、飲食店の床の油汚れの原因から具体的な落とし方、掃除に使えるアイテム、油汚れを防ぐ方法まで詳しく解説します。長い時間をかけて固着した油汚れはなかなか落とせないため、清掃業者のサービスを利用するのもおすすめです。
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飲食店の床の油汚れの原因
飲食店の床に油汚れが発生する主な原因は、調理中に食用油がはねたり、調理器具から油分を含んだ食品が落ちたりすることです。
また厨房では揚げ物や炒め物を調理する際、高温の油が微細な粒子となって空気中に広がります。換気設備が十分に機能していない場合、このような油分を含んだ蒸気(油煙)が店全体に広がり、冷えて床に付着します。さらに、その床の上を従業員が歩き回ると、油汚れが店全体に広がるため注意が必要です。
飲食店の油汚れをそのままにしておくとどうなる?
床の油汚れを放置しておくと、事故や火災など思わぬトラブルにつながることがあります。ここでは、油汚れをそのままにしておくと考えられるリスクを解説します。
事故や火災の原因になる
油が付着した床面は滑りやすくなるため、油汚れを放置していると転倒事故のリスクが高まります。特に混雑時は、慌ただしく動く従業員や移動するお客様の数が増えるため危険です。万が一事故が発生すれば、被害者への補償だけではなく、店舗の安全管理責任も問われかねません。
また厨房に蓄積した油汚れは、火災の原因にもなります。特に高温で調理を行う場合、ダクトや換気扇に付着した油が発火しやすくなるため注意が必要です。一度火がつくと瞬く間に燃え広がるため、換気設備の定期的な掃除を心掛けましょう。
お店の印象に影響する
油汚れの放置は、飲食店の印象を悪くする原因にもなります。飲食店の清潔さは、お客さんがお店を評価する基準の一つです。壁や床に油汚れが付着しており、「お店が汚い」などのネガティブな評価を受けると、飲食店の印象を下げ、売り上げにも影響する可能性があります。
また床にマットを敷いて油汚れを防ぐ対策をしている場合でも、マットの洗浄や交換を怠ると、細菌の温床となり不衛生です。汚れたマットは見た目にも悪影響を及ぼすため、定期的な洗浄や交換が必要です。
油汚れが悪影響を及ぼさないように、計画を立てながら常に清潔な店舗環境を維持しましょう。
油汚れが落ちにくくなる
飲食店の油汚れをそのままにしておくと、油汚れがこびりついて落ちにくくなることにも注意が必要です。
ほこりや食べ物のかけらなどと混ざった油汚れが放置されると、時間の経過とともに床材や壁面に浸透して、固着化が進行します。ひどくなると、通常の掃除方法では対応が困難となり、専門的な洗浄が必要です。ほうきやモップで掃除しようとしても、ただ汚れを広げるだけで逆効果になるためやめておきましょう。
また油汚れの蓄積は、不快な臭気や害虫が発生する原因にもなります。固着化する前に日々適切な掃除をすることが大切ですが、万が一固着化した油汚れがある場合にはプロの清掃業者に依頼すると良いでしょう。
飲食店の床に付いた油汚れの落とし方
飲食店の床の油汚れを落とす際に、どのような手順に沿って掃除すれば効果的なのでしょうか。ここでは、油汚れの落とし方を6つのステップに分けて詳しくご紹介します。
1. 床の汚れの掃除に必要な道具をそろえる
まず、飲食店の床の油汚れを効果的に除去するために、次のような掃除道具を準備しましょう。
- ほうき
- 掃除機
- アルカリ性洗剤
- デッキブラシ
- モップ
- メラミンスポンジ
- スクイジー
床掃除の基本的な掃除道具に、ほうきや掃除機があります。ほうきは電気を使わないため、時間や場所を問わず手軽に掃き掃除ができるのがメリットです。一方、掃除機は目に見えるごみやほこりを効率よく吸い取れるため、部屋の隅など汚れがたまりやすい場所の掃除に向いています。
また油汚れの掃除には、アルカリ性洗剤が効果的です。特に、油の使用量が多い飲食店では業務用洗剤を使用しましょう。環境や手などへの優しさを重視する方は、重曹やセスキ炭酸ソーダなども効果的です。
床の油汚れが頑固な場合には、デッキブラシやメラミンスポンジが強い味方になってくれます。他にも、立ったまま掃除ができるバケツ機能やモップ絞り機能を備えたタイプのモップも、作業効率が向上するのでおすすめです。
洗剤を洗い流して水気を切る際は、スクイジーを使用すると簡単です。スクイジーは、ゴム製の先端を持つ水切り用の掃除道具で、短時間で床の水気を除去できます。
必要な掃除道具をそろえたら、早速掃除を始めましょう。
2. 床のごみやほこりを取り除く
まず、床に散らばったごみやほこりを取り除きましょう。このとき、ほうきや掃除機などを使って、床全体を丁寧に掃きます。
油でベトベトした床は、ごみやほこりが密着していることも多いです。そのような場合は、できる範囲で取り除くだけでも十分です。この段階をしっかり行うことで、次の洗剤を用いた掃除がより効果的になります。
3. 油汚れに洗剤を付ける
次に、油汚れでベタついた部分に直接洗剤をかけていきます。洗剤を使う際は、ゴム手袋やビニール手袋を着用しましょう。洗浄力の強い業務用洗剤を使う場合は、ゴーグルの着用も推奨します。
一見きれいに見える場所でも、触れるとベタつきを感じることがあるため、床全体に洗剤を付けると良いでしょう。洗剤を付けたら、少しの間放置して油汚れと洗剤をなじませます。15分から30分を目安に置いておくと、洗剤が浸透してしつこい油汚れが浮き上がり、掃除がしやすくなります。
なお、一般的に油汚れにはアルカリ性洗剤や重曹が効果的ですが、木材フローリングの場合、強アルカリ性の洗剤を使うと床材が反ってしまう可能性があるため注意が必要です。また水気にも弱いため、中性洗剤や弱アルカリ性洗剤を使用して素早く水分を拭き取ることが大切です。
4. 汚れがひどい部分をこすり洗いする
時間が経ったら、デッキブラシやモップを使って床全体をこすりましょう。頑固な油汚れが蓄積している場所は、デッキブラシやメラミンスポンジを使用して入念にこすり洗いするのがおすすめです。
それでも落ちない油汚れには、重曹の活用がおすすめです。重曹には適度な研磨効果があるため、こびりついた床の油汚れを除去しやすくなります。
市販品には粉末タイプとスプレータイプの重曹がありますが、粉末タイプの方がコストがかからずお得です。水200mlに小さじ2杯程度の重曹を溶かしてスプレーボトルに詰め替えれば、スプレータイプとして代用できます。
5. 水やお湯で洗う
油汚れをこすり洗いしたら、水やお湯で洗い流しましょう。
特に油汚れがひどい飲食店の床掃除や冬場の床掃除では、お湯を使うのがおすすめです。冷たい水を使用すると油汚れが固まりやすくなり、かえって除去が困難になる恐れがあるため、油分を溶かしやすいお湯での洗浄が効率的です。
洗剤の成分が床に残ると新たなベタつきの原因となるだけではなく、残った洗剤の香りが料理の味や香りを損なう可能性もあります。水やお湯を適切に使い分けながら、十分に洗い流しましょう。
6. 水気を拭き取り乾燥させる
水洗い後には水気をしっかり拭き取り、乾燥させましょう。
水気の除去には、スクイジーを活用するのがおすすめです。スクイジーを使うと一般的な雑巾よりも作業効率が良く、短時間で広い床面の水分を取り除けます。余分な水滴が床に残ると、乾燥したときに水垢となり新たな汚れの原因になったり、転倒事故のリスクが高くなったりするため、しっかりと水気を取り除きましょう。
床をしっかりと乾燥させるためには、換気も効果的です。窓を開けたり、換気扇を回したりして、湿気が残らないようにしましょう。
飲食店で効果的に床の油汚れを防ぐ方法
飲食店で効果的に床の油汚れを防ぐには、どのような対策方法があるのでしょうか。ここでは、日頃からできる床の油汚れ対策を4つご紹介します。
床まわりを整理整頓して小まめに掃除する
飲食店で効果的に床の油汚れを防ぐには、「5S」(整理・整頓・清掃・清潔・習慣)を意識して、小まめな床掃除を行いましょう。
床まわりに余計な物を置かないようにすると、掃除がしやすくなるだけではなく、汚れの付着も抑えられます。床に放置して1年以上使用していない物があれば、必要性を見極めて処分するなど、定期的に整理整頓を行いましょう。
また油汚れは時間が経過するほど除去が難しくなるため、毎日の掃除が大切です。軽度の油汚れなら薄めた中性洗剤で十分落とせるため、日々の掃除の積み重ねを習慣付けましょう。
エリアごとに靴を分ける
飲食店で床の油汚れを防ぐには、厨房とフロア(ホール)間で靴の履き替えを行うのも効果的な対策の一つです。
厨房では常に油を使用するため、床面に多くの油分が付着しています。この油分が付いた靴のままフロアに出ると、油汚れを広げてしまうため注意が必要です。特に、厨房とフロアを兼務しているスタッフには、エリアごとの靴の履き替えを徹底すると良いでしょう。
油取りマットを設置する
油取りマット(吸油用マット)の活用も、飲食店で床の油汚れを防ぐのに効果的です。
厨房の出入口に油取りマットを設置すると、靴底などに付着した油分を吸収してくれるため、フロアへの油分の広がりを抑制できます。また、油分の滑りやすさが原因の転倒事故を防止するのにも役立ちます。
使い捨てタイプの製品や、難燃性素材で防炎品認定を受けている製品もあるため、機能性の高い油取りマットを取り入れて油汚れの拡散を防ぎましょう。
お掃除ロボットを導入する
お掃除ロボットの導入も、飲食店の床の油汚れを防ぐ効果的な対策の一つです。
お掃除ロボットの中には、床のごみやほこりの回収と水拭きを一台でこなす機能を備えた製品もあります。お掃除ロボットを活用することで、従業員の日々の掃除の時間を短縮できたり、床の清潔さを維持しやすくなったりするメリットが期待できるでしょう。
ただし、厨房の床の素材によっては、お掃除ロボットが使用できないこともあるため、お掃除ロボットを導入する場合にはあらかじめ使用できる範囲を確認しておきましょう。
飲食店の油汚れ掃除を清掃業者に依頼するメリット
飲食店の床などの油汚れをより効果的に落としたい方は、清掃業者に依頼するのがおすすめです。ここからは、清掃業者に油汚れの掃除を依頼するメリットを3つ紹介します。
時間がなくても清潔さを保てる
飲食店の油汚れ掃除を清掃業者に依頼するメリットの一つは、掃除の時間が確保できなくてもお店の清潔さを保てることです。
飲食店経営者の方にとって、店舗の衛生維持はお店の印象や衛生環境に関わる課題です。しかし、床や厨房の油汚れの掃除は、思っている以上に時間を要するケースがあります。そこで注目したいのが、夜間対応が可能な清掃業者に依頼することです。お店の営業時間外なら、営業を妨げることなくフロアや厨房の油汚れを効果的に除去できるでしょう。
また清掃業者に依頼すると、従業員の負担を軽減できることも大きなメリットです。お店の繁忙期などには、掃除の時間を確保するのが難しかったり、細かいところまで掃除ができなかったりする場合もあるでしょう。
しかし、清掃業者のサービスを利用すれば、従業員が残業してまで掃除をする必要がなくなります。結果として、これまで掃除に費やしていた時間を、お店のサービスの品質向上などの活動に使えるようになるのは大きなメリットでしょう。
プロの技で効率的に掃除できる
清掃業者は油汚れの落とし方を熟知したプロであるため、効率的に掃除ができることもメリットの一つです。
先述の通り、長期間放置された油汚れの場合、一般的な掃除の方法では対応できないほど固着化が進行していることがあります。そのような場合でも、清掃業者なら専門の器具や特殊洗剤を使いながら、素人では対処できない頑固な汚れもきれいにしてくれます。
またレンジフードやグリストラップなど素人には掃除が難しい場所でも、効率的な掃除方法を知っている清掃業者なら、より確実に短時間で汚れを除去してくれるでしょう。
飲食店の設備のお手入れもできる
飲食店の油汚れ掃除を専門業者に任せることで、店舗設備のメンテナンスも同時に行えるというメリットがあります。店舗用の大型エアコンや換気扇をはじめ、さまざまな設備を適切にメンテナンスすることで、設備の使用寿命を延ばす効果も期待できるでしょう。
一方で、適切なメンテナンスを怠ると、設備の性能が低下するだけではなく、寿命が短くなったり突然の故障を招いたりするリスクが高まります。そうなると、予期せぬ修理費用や設備の買い替えが必要となり、店舗経営に大きな負担がかかってしまいます。
プロによるメンテナンスには費用がかかりますが、長い目で見れば設備の買い替えや修理にかかるコストを抑えられるため、安定した店舗運営にもつながるでしょう。
飲食店の床の油汚れが落ちにくい場合は清掃業者へ依頼しよう!
飲食店の床は、日々の調理で油汚れが蓄積されやすい環境にあります。特に厨房では、高温調理による油煙の影響で床がベタつき、一般的な洗剤や掃除方法では対応できない頑固な油汚れが残ることもあるでしょう。
このような場合、専門の清掃業者へ依頼するのがおすすめです。プロの清掃業者であれば、しつこい油汚れを除去するための専門的な技術とノウハウを持っているため、従業員の負担を増やすことなく効率的に掃除が完了します。
清潔な店内環境は、お客様からの評価や店舗の評判に直結します。日常的な基本清掃と、定期的なプロによる専門清掃を適切に組み合わせながら、きれいで衛生的な店舗を維持しましょう。
株式会社アーネストは、これまで1,000社以上の導入実績を誇る清掃業者です。飲食店の清掃実績もあるため、油汚れにお悩みの方はぜひお気軽にご連絡ください。